あの人はあんなに速いのに何故自分は速くならないのか?努力が足りないのか?と悩んでいる方へ。
人は生まれつき得手不得手があることを受け入れるとラクになれます。比べるべきは過去の自分です。
マラソンが速い民族
2000年頃から現在に至るまで長距離界を席巻しているのは東アフリカ勢ですが、その中でもケニアのカレンジン族が多いというのをご存じでしょうか。
オリンピック 2016リオ、2020東京で連覇、イネオスチャレンジで2時間切りを達成したケニアのエリウド・キプチョゲもカレンジン族です。
その前の 2012ロンドンの優勝者 スティーブン・キプロティチはウガンダのセベイ族ですが、セベイ族は元々カレンジン系の牧畜民です。
東アフリカに範囲を広げると、2023年9月現在、マラソンの世界記録トップ100のうち、非アフリカ出身なのは、バーレーン(El Hassan EL ABBASSI)、ブラジル(Daniel DO NASCIMENTO)、日本(鈴木健吾) だけ。他は全て東アフリカ出身です。
※アフリカ以外の他国に帰化しているランナーもいます
マラソンという世界的に非常にメジャーなスポーツにも関わらず、ここまで一部の地域の人間が上位を独占しているのは、生まれつき速い、と考えても良いでしょう。
この部分については遺伝学で解明が進められてます。
欧米人・日本人は努力が足りない?
20世紀は欧米人や日本人も頑張ってましたが、彼らは努力しなくなってしまったのでしょうか?
確かに、環境要因として
- 欧米諸国の肥満が進んでマラソンに興味を示さなくなった
- マラソンでの勝利が貧しい国で大金を得られる道として開かれてモチベーションが高い
という話はあります。
(アフリカ勢にとってランニングは身を立てる手段であり、趣味で走る人はあまりいないそうです)
ただそれよりも、東アフリカの国々の状況が改善されてマラソンで勝負する人が増え、才能が適切な形で世界に出てきて、他の地域が勝てなくなった、と考えるのが自然でしょう。
そして今や世界は繋がっているので、もし欧米で画期的なトレーニング法が確立されて欧米人が勝てるようになったとしても、すぐにその情報は世界中に伝わり、そのトレーニングによる有意差は無くなり、ほどなくしてまたアフリカ勢が勝つようになるのではないかと思ってます。
ちなみに知能でも民族間での能力差はあるようで、ユダヤ系のアシュケナジムは全人口の0.2%にも関わらずノーベル賞受賞者の約2割を占めてます。
これも将来アフリカが発展したら状況が変わるかも知れませんね。
他人と比較するから苦しい
民族間の遺伝子の差について話をしましたが、これは同じ日本人の間でも起こりうることです。
同じ努力量ですごく伸びる人もいれば、そうでない人もいる。これが現実です。
SNSで、1年でマラソン・サブ3!トライアスロン・ロング完走!とか目にしますが、そういう方々は精神的にも身体的にも資質に恵まれている、というのは認識しておきましょう。
※もちろん彼ら・彼女らの努力を軽くみている訳では全然ございません。
そのような自分より遺伝子的に優位な人と比較して遅くて凹んでもしょうがないですよね。
目標は自分の成長!
比べるべきは他人ではなく、過去の自分です。
努力して昨日の自分に挑戦する・成長する、これこそが喜びであり、自分の人生経験の中の宝物となります。
加齢によりタイムが伸びなくなったら、競技を継続する、というのも立派な目標だと思います。
継続する行為そのものが、自分史上最高年齢でのトレーニング・レースであり、自分への挑戦です。
是非一生自分への挑戦を続けて、ずっと最高の思い出を作り続けましょう!
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