トライアスリートの皆さん、スイムを1時間練習した後ってバイクやランの1時間練習よりお腹が空きませんか?
その現象について解説している動画(英語)がありましたので、日本語でまとめました。
元動画:GTN Why Does Swimming Make You Hungry?
食欲増進ホルモン・グレリン
泳いでプールから上がるとやたらとお腹が空くのは何故なのか?
この問いの答えにはいくつかのレイヤーがあるのですが、
まず一般的には、プールでしばらく過ごしているとカラダは体温の低下を補おうとします。
(詳細は後で話します)
加えて、水泳という運動をしたことにより当然ながらカロリーが消費されます。
この2つが引き金となり、空腹ホルモンであるグレリンが体内で多く分泌されます。
これにより、体が確実にエネルギー補給をするよう食欲が増進します。
カラダは水温と体温のギャップを埋めようとする
純粋にダイエットのために運動をする人はよくいますが、必ずしも期待するような結果が得られるとは限りません。
なぜなら、運動中に消費するカロリーよりも体温の低下を補おうとするために消費するカロリーの方が多いからです。
全ての行動には、等しく「反対の反応」があります。
(※動画では言ってませんでしたが、ホメオスタシスのことを指していると思われます)
これを水泳に置き換えてみましょう。
体温に近い水、つまり37℃の水の中にいれば、体が普段慣れている状況に近いため「反対の反応」は弱くなり、あまり空腹感が出なくなる、ということが実際に証明されています。
じゃあ水温の高いプールで泳げばお腹空かなくて良いじゃん、とはなりません。
ほとんどのプールの水温は28℃前後です。
まあ30℃でも暑くて萎えてスピード練習する気が起きないですけどね。
水の温度は深部体温への影響が大きい
裏を返せば、暑くて汗をかくようなトレーニングをしていた場合、食欲を抑制する効果があるということです。
これは、体を冷やして体温を調節するために血液が体表に流れる必要があるため、胃から血液が遠ざかってしまうことが要因の1つとなっています。
一方、同じ強度の運動をしていても、例えばプールの中であれば、温度はずっと低いので体を冷やそうという機能は働かず、血液は通常通り胃の方にも流れ続け、普通にお腹が減ることになります。
プールで泳ごうがオープンウォーターで泳ごうが、水温が低ければ低いほど空腹感が強くなり、栄養価の低い poor な食べ物を選びがちになってしまいます。
家に帰って冷蔵庫を漁ったり、帰宅途中に近所のお店に立ち寄って回復に役立たない食べ物を買ってしまったり。
ということは、寒い屋外で陸上トレーニングするのも同じ効果があるのでは?と思うかも知れません。
ですが実際のところ、そうはなりません。
水の温度は陸上の気温よりも深部体温にはるかに大きな影響を与えるのです。
水泳後にカラダを温めて空腹感を和らげる
じゃあ水泳の後に感じる極度の空腹感を打ち消すにはどうしたらいいんだ!
皆さん知りたくてたまらないですよね。
これまで話した通り、空腹感を抑えるには深部体温を上げる必要があります。
もし設備があれば、サウナや熱い風呂に5~10分入ると、すぐに体温が戻り空腹感を抑えることが期待できます。
そういった設備がない場合は、温かいシャワーを浴びるのも良いでしょう。
また、温かい飲み物を飲むと、体の芯まで温まり、本当に良い効果があります。
どれも効果を感じられないようなら、予めヘルシーなスナックをたくさん用意しておきましょう。
帰り道にあるスポーツカフェや自動販売機の誘惑に負けて、せっかく消費したカロリーを poor な食べ物で補給するのを避けましょう!
水泳の空腹にはきちんと対策しよう
この調査から得られた最大の収穫は、水泳後に感じる空腹感は、消費カロリーやワークアウトのハードさ、練習時間の長さを直接反映するものではないという事実だと思っています。
泳いだ後に空腹を感じるのは私一人ではないということがわかり、安心しました。
きちんと対策して、適切な量で良質な食べ物を摂取しましょう!
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