HOKA & Achilles International – Run for Possibility ハーフ伴走

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海外Ironman・国内4大ロング全完走の管理人がお届けします

2023/12/3に開催された HOKA & Achilles International – Run for Possibility に参加し、視覚障がい者の伴走でハーフを走りました。今回が初開催だったそうです。

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HOKA と Achilles

イベント名にある HOKA は、ランナーならご存じのランニングシューズのブランドです。
HOKA の日本向け輸入代理店であるデッカーズジャパンが主催でした。

そして Achilles は、障がい者の伴走を行う団体 アキレス・インターナショナルです。マラソンランナーを続けていると耳にすることも多いと思います。
日本支部はアキレス・インターナショナル・ジャパンです。

この 2つの団体がメインとなり、今回のイベントが開催されました。
案内には下記が書かれておりました。

主催:
デッカーズジャパン合同会社

共催:
特定非営利活動法人アキレス・インターナショナル・ジャパン

協力(予定):
特定非営利活動法人日本ブラインドマラソン協会、東京視覚障害者ランニングクラブ、代々木公園・伴走伴歩クラブ(バンバンクラブ)、八走会、長居わーわーず他(博報堂・フローレンス)

以前よりデッカーズとアキレスは交流があり、アキレスに所属している友人は、以前 HOKA のシューズがアキレスのメンバーへ無償配布されて驚いた、と話してました。

HOKA のチャリティー活動、素晴らしいですね!

彼を含め、イベント当日にその HOKA の無料配布シューズを履いている方を何人か見かけました。

ハーフマラソンの伴走に参加

競技種目は、ハーフマラソン、10km、5kmウォーク、の 3つから選択で、距離が長い順に早くスタート。

私はハーフマラソンの部の視覚障がい者の伴走として参加。

過去何度か伴走の経験はありましたが、小規模な練習会で距離も10km強でした。
今回は HOKA が主催で選手100名/伴走100名と今までにない規模。

しかも先月に鵞足炎になり急仕上げ。

自分一人なら簡単にDNFもできますが、今回は選手の伴走ということでそうもいかない、と緊張感をもって臨みました。

海の森水上競技場

会場は海の森水上競技場。2020年東京オリンピック・パラリンピックのカヌーとボートの競技のために整備された施設です。

新しくてとても立派でテンションが上がります。

筋トレルームにはカヌー・ボート用のマシンがたくさんありました。
トップレベルの選手が使用しているのではないでしょうか。

ハーフの選手はスタンド前をスタートして海沿いにまず往復1km、その後往復2kmコースを10周しました。

無料・専用送迎バス・控室・シャワー・食事・抽選会

今回のイベントは本当に神イベントでした。

  • 参加費無料
  • 国際展示場駅と会場の間を専用送迎バスが往復
  • 暖かい控室で着替えられる
  • シャワー使用可
  • 走った後はレセプション会場にて弁当を食べながらトークショーを聞いて HOKAの抽選会に参加

家庭の事情で、弁当食べてすぐ会場を出なければならなかったのが残念でした。
シャワー使ったり施設見学したかった。

マッチングした選手は78歳!

今回、普段から一緒に練習している選手と伴走者のペアで申し込むパターンと、選手、伴走者、それぞれ単独で申し込むパターンがあり、私は後者でした。

申込時に自分の予想ペースを記入するのですが、当時は鵞足炎の治療中で、イベント当日にどこまで回復しているか分からず、少し控えめなペースを申告。

そして当日受付してマッチングで告げられた方は78歳の男性で、左下が少しぼんやりと見えるだけの視覚障がい者の方でした。

自分の親世代の年齢ですよ。しかも視覚障がいがある。
ハーフを走るのは本当に驚異的です。

いつも伴走している方も一緒におり、その方は膝の水を抜いたばかりでおそらく今日は10kmくらいしか走れない、だから伴走はせずに後ろから10kmほど選手と伴走者(私) についていってリタイヤする、とのことでした。

この方も60歳は超えているように見受けられました。
この年齢で膝を壊しているのに10kmだけ走りますとか、この方もスゴい…。

マッチングした時点からサポートが始まる

受付エリアでマッチングした時点から、伴走者のサポート開始です。

選手に腕をつかんでもらい、私がエレベーターを使って控室まで誘導し、一緒に着替えます。
バッグから色々なものを出したり、配布されている水やジュースを渡すのも手伝います。

レース前に伴走のミニ練習会があり、今回初めて伴走する方はそちらに参加してましたが、私はそちらには参加せずにずっと選手に付き添ってました。

そこで選手の方といつも伴走している方から色んな話を聞くことができました。

  • 視力があった頃からランニングしていた。当時のPBはサブ3.5。
  • 視覚障がい者はだいたい複数の障がい者ランナーをサポートする団体に加入している(関東ではバンバンクラブとアキレスが有名)。
  • 練習会は週末におこなわれるが、それ以外は基本走れない。つまり練習は最大週2回。
  • コロナ渦はずっと練習会が開催されず、我慢できなくなり伴走者なしで皇居へ行き2周ウォーキングした。そこそこスピードを出していたので何度も転んだ。
  • 当面の目標は来年フルマラソン出場。そのために今回のレースでペースを掴みたい。

転倒しながら皇居を回るとは、ランニング好き過ぎです。

お話を伺って、自分1人だけでは練習できないのは大変だなあと思いました。

以前、東京パラリンピックで3レースで入賞した視覚障がいスイマーの石浦智美選手の伴走をしたことがあるのですが、石浦さんからも同じような話を伺ったことがあります。

視覚障がい者がスイム練習する時は、壁に近づいてきたら激突しないよう長い棒で後頭部をタップしてくれる人(タッパーと呼ばれます) が 2人必要ですが、結構スキルが必要で、その確保が大変なんだそうです。

あと、そもそもプール使用許可を得るところからハードルがあるとのことでした。

伴走開始!

そして時間になりレースがスタート!

きれいなコースで天気も良く、非常に気持ち良いです。

羽田空港が近いため飛行機が低空飛行で音も大きく影が大きい。
選手も光や影は感知でき、最初ビックリしてました。

私は視覚障がい者の伴走のときに以下のことを気をつけています。

  • ちょっとした起伏、カーブ、マンホールやグレーチング(側溝の格子状の蓋)、を事前に確認し、30m手前、10m手前、0m、で伝える
    曲がるときは時計で方向を伝える。右斜め前なら 2時とか。
    マンホールやグレーチングを踏ませないよう伴走者が踏むようコース取りするのも手。
  • お互いの伴走ロープを持つ手の振りを揃える。よって着地も揃える(選手とは左右逆の足)。
    ズレてきたらケンケンで合わせる
    身長差がある場合はロープを握る手の位置を調整して揃える。
    なお伴走者が選手を前方に引っ張るのは反則です。横方向はOK。
  • 周りから少し間隔を取る
  • 給水を取ってあげる。今回の選手は普段から給水取らない方で、今回もそうでした。
  • 余裕があれば周りの景色を伝える。橋を超えるときに大きな川が流れているとか、外国人観光客が多いとか。お互い楽しい体験をしたいですからね。
  • 上記のとおり伴走は普通に走るより負荷が高いので、単独で走るペースよりキロ30秒落ちることを想定する。

レース後半、選手が右に曲がり始めるようになりました。

選手からの何かのメッセージかと思ったけどよく分からず、とにかく真っ直ぐに走るために伴走ロープで左に引っ張って走ってました。

レース後に聞いたら、右の腰か脚に故障を持っていて疲れてくると右に寄ってしまうとのことでした。

そして徐々に選手がペースダウン。

歩きますか?給水で少し休みますか?と何度か確認しましたが、止まらず走り続けたいと。
いやーこのお歳で視力が無いのに本当にすごいです。

そしてゴール!
私も下手くそながらも役目を果たせてひと安心。

なお、10kmで離脱するとおっしゃっていたいつも伴走されている方も、1周遅れで最後まで走ってました。こちらも凄い。

少しタイムオーバーだったため、もうレセプション会場で弁当配布が開始してるそうで、すぐに着替えて(ここもサポートします)、会場へ移動し、トークショー進行中に弁当をいただき、私は家事都合のため中座、帰りの無料バスへ飛び乗りました。

バスの中では選手の横で盲導犬のワンコがおとなしくしてました。かわいい。

今後も伴走していきたい

今はまだ娘に手がかかり、なかなか視覚障がい者の練習会への参加が難しい状況です。

フツーの練習会すら参加できない。

私はトライアスロンによって人生がすごく充実しました。
その恩恵を何らかの形で社会へ還元したい、という想いがあります。

もう少し時間が経ったら伴走の頻度を増やしていきたい。改めてそう思いました。

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