練習本レビュー:スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる

トレーニング理論

海外Ironman・国内4大ロング全完走の管理人がお届けします

※練習本ではないですが、他の本のレビューとタイトルを揃えてます

スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる が Amazonのレビューで高評価なので読んでみました。

ネットの情報には、その真偽が怪しいものもあったりしますよね。なぜそういう効果があると言えるのか?を解説してます。こういうのはなるべく一次情報に触れるべきです。

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ベージュ脂肪細胞

白色脂肪細胞はエネルギーを貯める = 太る。 褐色脂肪細胞はエネルギーを使う = 痩せる。 最近はベージュ脂肪細胞の存在が明らかになり、これもエネルギーを使う = 痩せる
成人が持っていると思われていた褐色細胞は実はベージュ脂肪ではないかという説が有力で、運動すると、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞は減るが、ベージュ脂肪細胞は増える

タンパク質摂取のタイミングと量

  • 筋トレ終了から早くタンパク質を摂取するほど、タンパク質合成の効果が高い。
  • 筋トレ後に 20-30g、1日に2.0g/kg体重という摂取量が推奨されている。 実は食事から十分摂取可能な量。
    ※本の中で、牛乳・魚・納豆・卵・肉などを使った献立を示してます
  • プロテインは運動中や直後に摂取できるのかメリット。 ただ、6週間以上の長期においては、タンパク質摂取のタイミングは重要ではなく、摂取量がより重要な要因である
    具体的には、毎日試合などすぐに回復が必要な時は、糖質とタンパク質を早く摂取する。 次の試合まで十分時間があるなら、摂取タイミングはあまり重要でない。
  • タンパク質と糖質を同時に摂取すると効果が高まる。 インスリン分泌の促進・増強をもたらす。
    ※だからリカバリープロテインが売ってるんですね
  • タンパク質を余計に摂取すると、それとほぼ同量の窒素が尿として排泄される。 こうなると腎臓への負担が高まり、腎不全などのリスクが高まる
  • 減量時や怪我時は、骨格筋が萎縮せぬよう、タンパク質摂取量を 1日に 1.2g〜2.4g/kg体重 に増やす。 脂肪量の減少だけでなく、除脂肪量の増加が認められている。
  • 数日で一気に 2-10%痩せる急速減量は、筋肉や筋タンパク質量が減少する可能性がある。

DHA

新生児〜乳幼児のときに DHA摂取不足だと、脳機能や網膜の発達が遅れることが知られている。 DHAを全く含んでない人工乳で育てられた子などに症状が出ることがある。
魚を多く食べる日本人はDHA不足で脳に影響が出ることはあまりない。 一方、多く摂取して頭が良くなることもない

糖質制限

  • 糖質制限による体重減少効果はそれほど高くない。
    インスリン抵抗性さらには高インスリン血症を呈している肥満者には、糖質制限してインスリン分泌を抑えるのが、脂肪の増加を抑えるのに効果的であると考えられる。
    一方、このような発症がない人は、脂肪の摂取を抑えた方が体脂肪減少効果は高いという可能性も示されている。
  • 低糖質・高脂肪食 = ケトン食を長期摂取(9-36ヶ月) したウルトラマラソン選手およびトライアスロン選手において、最大脂質酸化率 (脂肪燃焼のスピード) が、高糖質食を普段摂取している選手に比べ2倍以上高い値を示し、更に、より高強度でも脂質が利用できる体質になっていた。
  • 中強度でのランニングを行った場合、高糖質食を摂取している選手がエネルギー供給の約6割が脂質なのに対し、ケトン食を摂取している選手は9割が脂質となった。
    補給回数を減らすことでタイムロスにつながるし、腹痛や胃部不快感の予防もできる。

スポーツドリンク

  • 糖質飲料で口の中をゆすぐ(飲み込まない)「マウスリンス」を行うと、脳内報酬系を構成する側坐核(腹側線条体)においてドーパミンが放出され、疲労感の軽減やモチベーション維持といったいわゆる「中枢性疲労」の軽減につながる可能性が示されてる。
  • スポーツドリンクは科学的根拠に基づき、かつ各企業独自の考えや理論を加味しながら設計されている。従って、スポドリを薄めにを作るのではなく推奨通りに作る方が効果が高いだろう。

サプリメント

  • サプリメントは大きく2つに分類される。
    • 狭義のサプリメント:食事の摂取で不足した栄養素の補給に利用
    • エルゴジェニックエイド:運動能力を高めることが期待される物質を含むもの
  • エルゴジェニックエイドを使用する前に、以下の点に注意する。
    • 他の成分との相互作用はないか?
    • 体質に合っているか? = レース直前にいきなり試さない。
    • 無作為化比較試験をしているか? 更にそれらエビデンスを幾つか集めて統計的レビュー・メタ解析が存在するか? 二重盲検法を実施しているか? 細胞や分子レベルでのメカニズムが解明されているか?
      ※要はきちんと実験してエビデンスが十分あるか?ということですね
  • 健康食品に関する情報源としては、「健康食品」の安全性・有効性情報というサイトがおすすめ。
    https://hfnet.nibiohn.go.jp/
  • エルゴジェニックエイドに関する情報源としては、Australian Institute of Sport のサプリメントに関するサイトがオススメ。
    一般に広まっているスポドリやスポーツジェル等から ドーピング対象となるエフェドリンやアンドロステンジオン等 まで、サプリメントを網羅している。
    https://www.ais.gov.au/nutrition/supplements
    ※この本の中でも、クレアチンやカフェインについて書かれてます。

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