トライアスロンの練習の管理手法で有名な指標 TSS のうち、バイクの TSS を計測するための基準となるパワー FTP: Functional Threshold Power の計測方法をご紹介します。
パワーメーターは使いません!
使うのはローラー、Zwift、そして心拍計です。
TSS とは
TSS は Training Stress Score の略で、練習の時間と強度の両方を考慮したスコアであり、トライアスロンのトレーニングを管理するのにたくさんの方が利用しています。
こちらの記事で詳しく書いてます。
TSS を算出するためには FTP の計測が必要
バイクの TSS を算出するには、まず基準となるペースを設定する必要があります。
それが FTP: Functional Threshold Power です。
過度に疲れることなく長時間維持できる最大パワーとなります。
この FTP をキープしたまま 1時間走ると TSS が 100になるよう計算されます。
これより小さいパワーで 1時間走れば TSS は 100より小さくなりますし、これより大きなパワーで 50分走って 100になることもあります。
TSSを計測するのに使われるのがパワーメーター。通称パワメ。
ただこれ高額です。
ノンブランド (主に中華製)は計測精度が不安だし、SRM、Garmin、ROTORなどの信頼のおけるブランドだと 10万円以上。
なおパワメの中では 4iiiの片側クランクはかなり安いです。
そこで私が計測に使っているのが Zwift です。
Zwift の FTPテスト
Zwift はバーチャルワールドでローラーのトレーニングやレースができるサービスです。
この Zwift のワークアウトの 1つに FTP test というのがあり、これで FTPを測定することができます。
Zwift は 2024/1現在、月額 1,650円です。パワメと比べたら激安!
Zwift では 4種類用意されてます。
私は時間かかるけど FTP test を選んでます。
FTP test
トータル1時間13分。
20分かけてじっくりウォームアップし、1分のインターバルを 3本、Zone5 で 5分、そして20分の全力走です。
この20分間のパワーの 95% が FTP となります。
![](https://save-triathlon.com/wp-content/uploads/2023/05/FTPtest.jpg)
FTP test (shorter)
トータル 45分。
FTP test のウォームアップが短いバージョンです。20分の全力走は同じ。
最初のウォームアップが 5分しかなく、私としてはキツイ。
![](https://save-triathlon.com/wp-content/uploads/2023/05/FTPtest_shorter.jpg)
Ramp Test
5分のフリーライド後に 100W を1分、次に 120W を1分と、1分毎に 20W上がっていき、力尽きるまで喰らいつきます。
開始後 6分も経てば 200W突入します。なのですごく早く計測できます。
でも、FTPの定義からするとちょっと精度が低い気がしてます。
![](https://save-triathlon.com/wp-content/uploads/2023/05/RampTest.jpg)
Ramp Test Lite
Ramp Test の初心者向け。
8分のフリーライド後に 50W を1分、以降、1分毎に 10W上がっていきます。
![](https://save-triathlon.com/wp-content/uploads/2023/05/RampTestLite.jpg)
心拍計を使う
FTPテストを実施する時は、心拍計を使ってください。
これは屋外ライドでの TSS計測に使います。
屋外ライドでパワーを基準に TSSを算出するにはパワーメーターが必須です。
でも TrainingPeaksでは心拍を基準にして TSSを算出することもできます。FTP test の時の最大心拍数の 95%を 機能的作業閾値心拍数 (FTHR) として、その基準にします。
心拍を基準にするとパワーを基準にするより精度は落ちます。
また実走の時は実走の時の FTHR を求めるのが理想ですが、安全にノンストップで20分全力走ができるコースなんてそうそうないですよね。
なのでそこは仕方なしということで受け入れます。
心拍計はパワメと比べたら全然安いです。
私はこの Wahoo の腕に巻くタイプを使ってます。胸に巻くタイプ(通称 乳バンド)も持ってますが、ランの時に着けているとズレ落ちてしまうので。
FTP を定期的に計測し直す
FTP は定期的に計測し直しましょう。
シーズンオフ中とレース1ケ月前では、出力パワーは変わりますよね。
シーズンオフ中の遅いペースをずっと基準にしていると、徐々に TSSが高めに出てしまいます。
ただ、FTPテストを再計測と言ってもすごいキツイし、スイムもランも同様に計測し直しはキツい。分かります。
私は年3回くらい計測してます。
まず完全オフから練習開始した時、あとは練習を積んで FTP更新できそうだと感じた時、です。
毎月計測し直してる人とか尊敬します。それってほぼ毎週スイム、バイク、ランで 30分くらいオールアウトのトレーニングしてるって事ですからね…。
FTP計測 頑張りましょう
FTP 計測はなかなか気合が必要ですが、今日は FTP更新できたらラッキー、キツくなったら中止してもいいや~、それでもトレーニング効果は高いし~、くらいの軽い気持ちで入るのをオススメします。
こういうのは始めること自体がハードル高いですから、まずはそこを突破しましょう。
ハードですが頑張って乗り切りましょう!
スイムのFTP (CSS) の計測はコチラ。
ランのFTPの計測はコチラ。
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